第2回 NPO法人 ハットウ・オンパク

2012 年 8 月 27 日


観光地域づくりプラットフォーム実践事例の第2回は、地域の多様な主体が主役のまちづくりを通して集客交流事業を行い、旧来型大型温泉地を回復させた全国の成功モデル、大分県別府市の「NPO法人ハットウ・オンパク」です。同法人の代表で、PF推進機構の鶴田浩一郎代表理事が紹介します。

 



地域の概況およびプラットフォーム(DMO)の動きが出てきた背景

 


別府は、1980年代に栄えた団体受け入れ型の旧来型の大型温泉地。90年代に入り、湯布院などの個性的な温泉地が台頭していく中、徐々に集客力を失い、疲弊していきました。


再生のきっかけとなったのが、2001年から実施している観光客参加型イベント「別府八湯温泉泊覧会」(通称オンパク)です。


もはや観光は、観光産業者だけでなく、地域のさまざまな事業者と一緒に地域を元気にしながら集客していかなければなりません。オンパクは、別府の地元事業者が主催する種々の観光客参加イベントを各々が連携して行い、別府市全体の魅力を高めて長期滞在やリピーターの創出を試みるものです。今は年1回春に開催されており、そこから年間150を超えるプログラムが生まれています。

オンパク開催風景


そのオンパクの運営母体として平成2001年7月に設立されたのが、現在の前身となる組織「ハットウ・オンパク実行委員会」です。同年10月に第1回オンパク開催、2004年9月にNPO法人ハットウ・オンパク(以下、ハットウ・オンパク)を設立しました。


地域再生のネタを探していく中で、温泉と医療、エステ、リラクゼーションというネタに気づきました。これらウェルネス産業の育成を呼び水に、別府の文化、自然、そして日常的な食といったものを組み合わせることで、地域のみんなが主役となり、かつ、持続的にまちづくりに取り組める手法として、オンパク手法を創造しました。


現在、地域のさまざまなステークホルダーと協働しながら、地域資源の発掘や人材の育成を行うことを目的に取り組んでいます。今では地域内の200もの事業者らと連携して幅広い活動を展開、集客モデルとして定着しています。

 



組織のコンセプト

 


コンセプトは、「地域の多様な主体によるサステイナブルなまちづくり」。
そこから生まれる新しい試みが、結果的に、地域を元気にしつつ集客交流にもつながっていっています。


たとえば、今ではオンパクの商品の1つであるまち歩きは、観光客のためではなく、「まずは自分たちがまちのことを知ろう」と、まちづくりのために始めました。それがいつのまにか、観光客の人気を呼び、観光プログラムになりました。

オンパクでのまち歩きプログラム


明治12年創設の竹瓦温泉の復活の中心的存在のまちづくりグループ「別府八湯竹瓦倶楽部」がまち歩きを始めるのと前後して、別府市内の小さないくつものグループが自発的に行動し連携していき次第に大きなうねりとなっていきました。


組織の目的は、大きく分けて2つあります。


①オンパクを通じた別府の活性化
別府八湯地域において温泉を核としたウェルネス産業興しによる活性化です。


②全国各地の地域づくりモデルとしてオンパク手法を普及させ、広く社会に貢献
2006年の「はこだて湯の川オンパク」からオンパク・モデルの水平展開事業(オンパク・ジャパン事業)がスタートしました。オンパク型の地域活性化モデルの普及により全国各地の地域が抱える課題の解決の一助となることを目指しています。

 



活動内容

 


およそ次の4つを大きな柱としています。


(1)観光誘客事業
・周辺市町村と連携したオンパク商品開発支援、来訪者受け入れの調整
・観光資源を活用した商品企画、顧客対応、精算など


(2)広報宣伝事業
・パンフレット等広報ツールの作成
・温泉本の企画・制作


(3)商品開発や人材育成
・体験プログラムの企画開発(市、県からの委託)、インストラクターの養成


(4)オンパクノウハウ移転事業

 



将来ビジョン

 


2001年から始まったオンパクは、参加者累計30万人、開発されたプログラム総数は約1,500種類を超え、安定した集客率を誇り成熟した事業に成長しました。


これを支えているのは、プログラムを開発する200の地場事業者(非営利団体や個人含む)、会員組織「オンパクファンクラブ」6,000名です。
地場事業者と顧客をマッチングしていく社会的責任が私たちの組織に生まれているということです。


参加型商品群は安定してつくられてはいますが、オンパク初期のような地域の活性化へ強い意識をもつボランティア的人材との関わりが薄くなっている感も覚えています。
実は、彼らボランティア人材が地域に埋もれた素材を発見して磨き、参加型商品のシーズを蒔いてきたのです。
この数年は、再度このような人材の発見に尽力する時期になってきました。まだまだ、別府には眠っている新たな素材が散らばっています。


一方、オンパクの地域づくり手法を「オンパク・モデル」として、一般社団法人ジャパン・オンパク(2012年9月現在・正会員18地域)で普及拡大に取り組んでおり、現在40地域に達しています。

ジャパン・オンパクのロジックモデル


全国各地でオンパクを開催するリーダーやスタッフ達の地域活性ノウハウが蓄積され、それがさらに全国のオンパクの熟度を高めるという好循環が生まれています。数年前に50地域への拡大を目指してきたものですが、さらなる組織発展を目指してまいります。


●一般社団法人ジャパン・オンパクhttp://japan.onpaku.jp/

 



組織の抱える課題および今後の展望

 


公益的な活動を行うNPO法人にとって、安定的な財源は欠かせないものです。このための継続的な公的補助金が確保されれば問題はないわけですが、実際このような制度的に担保される補助金等はありません。


したがって、地域活性のための公益的な非収益事業とこれに関連する収益事業を組み合わせた混合型(ハイブリッド)非営利事業構造をつくることが重要になってきます。


NPO法人も企業のように「ゴーイング・コンサーン」の概念が必要です。私たちのような事業遂行型NPOは公益的な収益事業を開発し続ける必要があります。

 

<別府で元気なプロジェクト>

 

●別府プロジェクトhttp://www.beppuproject.com/
●北浜マルシシェ http://www.facebook.com/pppbp
●豊の国千年ロマン観光圏http://www.millennium-roman.jp/

 

 



【組織概要】


NPO法人 ハットウ・オンパクhttp://www.onpaku.jp/
大分県別府市北浜2-10-19グランメールビル4階
TEL 0977-22-0401  FAX 0977-22-0417

 
2004 年9月1日設立
事務局員数:5名(正職員0名)
主な事業
●観光集客交流事業
●出版広報宣伝事業
●商品開発や人材育成
●オンパクノウハウ移転事業
●集客ITシステム事業
●個人会員組織(オンパクファンクラブ:6,000名)の運営

 

 

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