第3回 一般社団法人 信州いいやま観光局

2012 年 9 月 10 日


第3回目の各地の観光まちづくりのケースは、「一般社団法人信州いいやま観光局」です。長野県飯山市は、スキー観光の衰退期からグリーン・ツーリズムで新たな復活を遂げ、いまやアウトドアやエコツーリズムの先進地としても注目を集めています。その飯山市の市の2つの団体・観光協会と振興公社が統合して、2010年に新組織ができました。同局の木村宏企画開発室長(事業課長兼)が紹介します。



地域の概況およびプラットフォーム(DMO)が出てきた背景


飯山市は昭和30年台から豊富な雪資源を活用したスキー産業が発展してきました。
しかし、平成3年をピークにスキー人口は減少の一途をたどり、観光産業の衰退が懸念されてきました。


そうした中、平成5年に農林水産省のグリーン・ツーリズムモデル地区に指定され、春から秋にかけて交流人口を拡大すべく、宿泊と体験プログラムを組み合わせた滞在プランなどを開発してきました。


現在では、森林セラピー基地認定を受け、飯山市森林セラピー協議会によるモデルプランを開発。長野と新潟にまたがる全長80kmのロングトレッキングコース「信越トレイル」が整備され、グリーン期の観光入込客数はホワイト期と逆転してきています。
グリーン・ツーリズムから派生したニューツーリズム分野の集客も伸びを示しています。


そこに、平成26年春、北陸新幹線「飯山駅」の開業が決まり、観光業飛躍のチャンスが訪れました。
より強固な観光組織をつくって観光の窓口一元化をめざそうと、平成22年に飯山市観光協会と飯山市振興公社が統合し、一般社団法人信州いいやま観光局の設立となりました。


これまでの広報宣伝事業を主としてきた観光協会の事業は、まちづくりの企画立案や特産品の開発へと移行し、また、自ら旅行商品を企画販売していくことを目指して旅行業登録を行いました(旅行業第2種を取得)。組織として、着地型旅行商品「飯山旅々。」の造成・販売に着手し始めました。

着地型商品「飯山旅々。」のパンフレット


旅行商品の造成にあたっては、信州いいやま観光局が主体となり、市内の単位観光協会や観光事業者(斑尾高原観光協会、信濃平観光協会、戸狩観光協会、北竜湖観光協会、飯山旅館組合等)と一緒に計画段階からスタートし、現在、より強固な連携・協力の中から、旅行商品が生まれてきています。



信州いいやま観光局のコンセプト・ビジョン


昭和35年に設立された飯山市観光協会は、スキーの観光客誘致に端を発し、寺町観光、グリーン・ツーリズムからニューツーリズム分野へと充実を図る中で、飯山市の観光宣伝機関として大きな役割を果たしてきました。


平成19年には法人化と当時の観光協会旅行業登録を行い(旅行業第3種)、地域資源を活かした旅行商品の販売体制を整えました。平成26年度の新幹線飯山駅開業を控え、このチャンスを最大限活かすために、更なる誘客の仕掛けづくりと受け入れ体制の充実を図り、飯山ならではの魅力を守り育てるため、訪れる人々にとっても、住む人々にとっても魅力ある地域づくり、観光まちづくりを推進すべく、行政や地域と密接に連携した事業を行っています。


活動理念は次の3つです。


■ お客様の立場に立った商品づくり=マーケティングの視点を重視しながら、農業や地場産業などと連携し、豊かな地域資源を活かして事業化を図る。


■ 民間感覚と継続性をもって観光地を「経営」する。行政と連携し、役割分担を明確にしながら、戦略的かつ効果的に事業を実施する。


■ 意欲ある多くの会員の参画を促し、地域を挙げて事業に取り組みます。観光まちづくりの拠り所として市民にも来訪者にも信頼される役割を果たす。


その理念のもとに、主に次のような活動を行っています。


●日本のふるさと体感の旅づくり

●プロモーションの強化

●地域資源を活かした特産品の開発・販売

●学習旅行の誘致推進

●インバウンドの強化

●広域観光の推進

●観光イベントの振興

●ホスピタリティ向上と受け入れ改善の取り組み

●飯山ブランドを先導する施設運営

●組織活動の活性化




信州いいやま観光局と行政との関係


信州いいやま観光局と飯山市は、新幹線飯山駅の開業に向けて情報を共有し、役割分担しています。


飯山市の観光PRや旅行商品の販売等、観光客への直接的な対応については、信州いいやま観光局が主体となって事業を推進しています。新幹線駅の開業を機に、駅舎、または周辺施設への事務所移転も構想中です。


一方、飯山市役所商工観光課は、長野県との連絡調整や姉妹都市等との交流推進、市内のイベント支援、観光施設の管理等を行い、また今年度より新設された市の広域観光推進室は、飯山市周辺の8市町村と連携した広域観光地づくりに向けた、インフラ整備やブランド形成等を行っています。



組織の抱える課題および今後の展望


前述のように、信州いいやま観光局は市の2つの団体・飯山市観光協会と飯山振興公社がと統合しました。
それぞれが次のような課題を抱えていました。


<旧飯山市観光協会>


■官民一体の効果的・効率的な施策の計画策定・実行・検証の確立

■顧客本位のサービス提供

■創意工夫を売り出す仕組みの再構築

■販売・案内手数料収入の強化

■会員の拡大

 


<飯山振興公社>


■主な業務は温泉施設の運営と市所有の観光施設の管理運営だが、

・建物や設備の償却ができていない

・今後多額の設備更新が必要

■定款の目的に一定の役割を果たしてきたが、一方「公益事業」を行う役割が薄れてきた

■財産運用収入の設立時からの大幅減少

 


これら課題を解決し、さらに観光誘客力の高める強力な組織づくりに向けて、次の4つを柱に組織の推進体制を構築しました。

 


1 持続的な事業展開

・事業の継続性を保つため、責任と権限の明確化

・利益を上げていける組織の運営

 


2 観光まちづくりを推進する地域のビジョン・目的の設定

・旅行者ニーズの多様化に対応

 


3 中期的な予算の確保

・公益事業に係る市などによる資金的裏づけ

・会員の拡大(商工関係者、広域圏での事業者ほか)

・必要な会費の見直し

 


4 多様な主体との連携

・NPO・住民など多様な主体の連携・協働

 


新組織は、地域全体の公平性・公共性に配慮しながらも、民間ならではの自由な発想で事業を進めていかなければなりません。


飯山市には数多くの資源やアクティビティがあり、これまで市は「日本のふるさと」、「日本の原風景」というキャッチフレーズで観光事業を進めてきました。しかしながら、知名度はいまひとつであり、もう一歩踏み込んだブランドの確立が求められています。


新幹線駅の開業にともない広域観光の重要性が高まっています。周辺市町村と連携した推進体制を至急構築していかなければなりません。


何よりも、現在、投入されている飯山市の補助金年間2500万円がなくても自立した運営を持続的に行うことができるよう、効率的に収益を高める事業を推進していかなければなりません。


そのために、着地型旅行商品「飯山旅々。」は、地元の理解をより一層高め、地域が一体となってPRできるような体制をつくっていきます。そして、観光客に飯山市街地を回遊していただき、少しでも滞在時間を長くしていただくためのまちづくり(仕掛けづくり)に取り組んでいきます。街中および森林ガイドの養成も進めていますが、より質の高い案内ができるようなスキルアップも急いでいきたいと考えています。

「飯山旅々。」のトレッキングプログラム

 



【組織概要】


一般社団法人 信州いいやま観光局

長野県飯山市飯山1110-1(飯山市役所2F)

TEL 0269-62-3133  FAX 0269-81-2156

http://www.iiyama-ouendan.net/


1960年7月8日設立

事務局員数:79名(プロパー16、嘱託・臨時18、パート・アルバイト43、市職員(研修)2)

主な事業

●着地型旅行商品の開発、販売

●地域の観光魅力の情報発信

●地域ブランド産品・土産品の開発・販売

●地域入込客動向調査の実施

●広報人材の育成

●観光施設の受託事業

 

 

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